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全日本学生馬術連盟【海外研修レポート】

海外研修レポート

8年ぶりとなる学馬連海外研修へ選手3名とサポータとして1名の学生が参加し、次年度からAIEC(世界学生馬術連盟主催)大会への出場を目標として、日本の代表学生選手による視察が行われました。

また、同時に普段なかなか経験することができないトップレベル厩舎での乗馬クリニックや、本場シャンティイ競馬場で日本人調教師によるレクチャーなど盛りだくさんの研修でした。

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参加者

坂中蓮実  立命館大学3
池谷美咲  青山学院大学3年(サポーター兼通訳)
砂川成弘  日本大学1
中島妃香留 早稲田大学1

現地サポーター

オランダ:松波智香(CM Equestrian service)同志社大学OG
フランス:中島千都(シャンティイ小林厩舎)京都大学OBR4幹事長
引率者:長谷川 奈緒(学生馬術連盟 事務局)

オランダMaurice Ruisbroek氏レッスン

2日間のレッスンは杉谷泰造さんからご紹介いただいた、モーリス氏の厩舎で行われました。厩舎のあるオランダ南東部のヴェールト(アムステルダムから電車で2時間ほどの)は人口5万人弱の静かな街で、現地では松波さんにサポート頂き、3名の学生が11頭同じ馬匹に4鞍乗りました。レッスン以外でも学生たちは馬装や手入れの際、普段自分たちが使用しているの設備や馬具などとの違いにとても関心を持っていたようです。

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参加した選手の感想

モーリス氏のレッスンで、私は8歳の牝馬であるDiaに騎乗させていただきました。主にフラットワークやジムナスティック、障害のラインの練習をしました。普段自分が部員を指導する時に言っている姿勢や足の位置、コンタクトなど基本的なところが自分自身も緩んできていると再確認することができました。大学生になり人に教わる機会が圧倒的に少なくなったため、普段気付くことのできなかった自分の緩んでいる部分や、フラットワークの大切さを改めて感じることのできたレッスンでした。モーリス氏がレッスン中に「もう1回」「はやあし」「ありがとう」と日本語で声をかけてくれるのがとても優しくて、楽しく充実した時間を過ごせました。(中島妃香留)

AIEC視察

オランダレッスンのあとはフランスへ移動しAIEC-SRNC FRANCE 2023 World Final大会を視察しました。今回訪れたのはリヨン空港から車で1時間半ほどかかるフランス中央高地東部、ヴェレ地方のイッサンジョーという町にある競技場です。2025年はイギリスで同大会のファイナルが予定されており、日本の代表選手が出場できる様に交流を深めてきました。大会を運営しているのはAIECという「One World, One Sport, Many Friends」をモットーにしていてる連盟で、馬術大会を通じて世界中に友達を作る事を目的の1つとしている為、日本の学生たちも様々なプログラムを体験しました。4日間、他国の選手たちと寝食を共にし、コミュニケーションを深めたり、夕食の後のパーティ、表彰式でのダンスなど、最初は恥ずかしがっていた学生たちも日に日に積極的に輪に入って行く姿が印象的でした。

参加した選手の感想

大会は地元の農業高校で行われ、高校の馬が貸与馬として試合に出ていました。選手のレベルも様々で、馬場・障害共にシルバークラスとゴールドクラスの2つに分かれていました。日本の学生大会と違い、馬場の選手は馬場、障害の選手は障害に出場していて、両種目に同じ選手が出ている国が少い印象でした。試合の運営もとても楽しそうで、大学生の交流の場といった感じがしてとてもいい経験になりました。(坂中蓮実)

試合中でヨーロッパの選手たちのフレンドリーな所や多くの人と交流することで不思議と親近感を覚えることができました。また、様々なタイプの馬が貸与馬として出てきていました。大会中はヨーロッパならではの本場社交会といった感じのパーティーに参加して、自分も英語ができたらなと思う場面が多々あり、もっと自分から積極的にコンタクトが取れるように英語力を上達したいと思いました。(砂川成弘)

選手以外にも大勢の人がサポートとして参加していて、ドイツは30人ほど来ているという話でした。また、競技中の観客やサポーターの雰囲気も印象的でした。特に声援やゴール後の掛け声など、国ごとにまとまりがありとても盛り上がっていました。表彰式の前後も全員が馬場で踊っていて、式も堅苦しいものではなく、お祭りのような雰囲気でとても和やかでした。運営側も選手もあまり境がなく、全員で楽しんでいる様子でした。日本ではない文化をたくさん見ることができ、馬術以外の面でも海外の文化を感じることのできた良い機会でした。(中島妃香留)

シャンティイ見学

その後、元旦にはリヨンからシャンティイへ移動し、小林厩舎を訪れました。シャンティイは、パリから電車で40分ほど北へ移動した所にある街です。街の至る所に馬のモチーフがあり、古くから馬と共に生きている街という感じが、馬好きな学生達にはとても好評でした。トレーニングセンターの小林厩舎では生憎の雨で調教風景は見学できなかったものの、小林先生に日本とヨーロッパの馬の扱い方の違いをレクチャー頂き、厩舎に居る競走馬たちとも触れ合ってきました。1歳馬でもとても大人しく、人に慣れている印象でした。

学生の感想

部活のバイトで競走馬を見ることも多くありますが、気性の荒いイメージが多かったです。フランスの競走馬はとても大人しくグランドワーク的な人との関係性がしっかりと構築されており、馬との文化を感じました。日本よりも圧倒的に馬への理解がある国だと感じ、日本もそのようになっていって欲しいと思いました。今回の貴重な体験を今後のトレーニングにも役立て、技術の向上、競走馬のリトレーニングなどにも活用していきたいと思いました。(坂中蓮実)

小林調教師から欧州の馬はなぜ大人しいのか、グラウンドワークの大切さや馬と人間の関係について教えて頂く機会がありました。本当に勉強になるお話ばかりでした。(池谷美咲)

ヨーロッパの馬がとても温厚であまり怒ることがなく、その理由も教えてくださいました。理由として自然に近い環境で育ったこともあるのですが、まず馬に怒らないことが1番だということがわかりました。馬にとってどれだけストレスなく接することができるのか、馬にどれだけ寄り添えるか、馬の気持ちをどれだけ理解することができるかが重要ということがわかり、今後の馬の接し方に活かしていけることが多かったのですぐに取り入れたいなと思いました。(砂川成弘)

そして最後に今回レクチャー頂いた小林調教師と現地でサポート頂いた松波さん、中島さんからのコメントを紹介させて頂きます

小林調教師

馬の仕事は、馬が出来るだけで世界中どこでも行ける素晴らしい仕事です。私が言いたいのは、夢を叶えるためには“最初の一歩を踏める勇気”があるかないかが、人生の大きな違いになるということです。“一歩目“が踏めればあとは勝手に進むものです。失敗しても良いのです。人生一度きりです。勇気を持って欲しいですね。

松波智香さん

限られた時間の中でしたが、みんな感覚の良い選手でした。レッスンを通してどんな馬に乗る時も基礎、基本の重要性が大切なことを理解してもらえたと思います。日本に帰っても自分の競技馬と基本運動にさらにこだわりを持ち、障害競技ではその基本を大切に成長してくれることを願ってます。国際的な機会が少ない日本ですが、こういった経験を多くの選手が経験し、世界の視野を持ち、日本の馬術界を発展させてくれることを楽しみにしています!

中島千都さん

馬文化が根強い欧州で騎乗技術だけでなく馬の接し方などを学生の皆さんが体感できる機会になっていれば幸いです。他国の選手と英語でコミュニケーションが取れるのは何よりですが、馬に乗る私たちは共通言語を介さずとも意思疎通が可能であることを知っています。国際大会に参加する上で、相手がどこから来て、どの言語を話し、どのような文化を持っているのかを知り、尊重する国際感覚を日本の学生選手団にもさらに養う良いきっかけになればと思います。

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※この記事は当団体(特定非営利活動法人日本乗馬普及協会)が発行するフリーマガジン「馬旅」の一部です。
※記事・写真提供 全日本学生馬術連盟

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