さあ、いっどSKLV 〜南九州畜産獣医学拠点オープン前編〜
※本記事の取材は2023年秋です
畜産が基幹産業である曽於市は、国立大学法人鹿児島大学と連携して県立財部高校跡地に南九州畜産獣医学拠点(通称:SKLV⁼スクラブ)を整備し、将来の畜産業・獣医療を担う人材の育成、新たな産業の創造、交流人口の増加を目指しています。鹿児島大学共同獣医学部は令和元年にヨーロッパの獣医学教育認証であるEAEVEをアジアの大学で初めて取得した大学です。実践的学部教育の充実と動物福祉に配慮した農場の構築を目指しています。なお、施設には、鹿児島大学の教員が配置され、獣医学部がある全国の大学から学生の受け入れを行います。
畜産が盛んな鹿児島県曽於市は、鹿児島大学と連携しおよそ28億円をかけて獣医師などを養成したり家畜の衛生管理などに関する研究を行ったりする南九州畜産獣医学拠点(以下、SKLV)の整備を進めています。SKLVでは馬の獣医師の養成などを目的に乗用馬など20頭の馬を飼養予定です。馬旅ではSKLVの魅力を連載にてお伝えしてまいります。
人口約3.3万人、高齢化がすすむ曽於市。SKLVが設立されるのは7年前に閉校した県立高校の跡地です。およそ4万2,000平方メートルの敷地には、3棟の牛舎が建てられ、感染病対策のほか、温度管理も可能です。牛にとって最適な環境が整備され、JA鹿児島県経済連が350頭の和牛を飼育し5年以内の海外輸出を目指しています。また、鶏舎は、鹿児島大学が5,000羽を飼育する予定で、光の色の違いによるニワトリやひよこへの影響をオンラインで監視し、養鶏についての最新の研究をしていく予定です。そして、アニマルウェルフェアに対応した最新式の厩舎には乗用馬など最大20頭が入る予定です。この馬エリアは獣医師に限らず一般の方も入場することが可能で、地域の方との交流、観光施設としての役割も期待されています。
地方創生エリアでは旧校舎を改修し、実習生用の宿泊施設が整備されました。遠隔講義システムにより鹿児島大学などで行われている講義をSKLVでも受講可能となります。更にレンタルオフィス5室を整備し、新しい産業の創出を目指します。カフェスペースはSKLVを訪れる皆様が利用でき、窓の外に屋外馬場があり馬を見ながらゆっくりとくつろぐことができます。オープン後、SKLVを訪れた際には是非ご利用してみてください。
SKLV公式ホームページ
https://sklv-soo.jp
※この記事は当団体が発行するフリーマガジン「馬旅2023冬号」の一部です。
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